[[← 2 節に戻る|Palm OS Programmer's Companion Volume I/7-2]] [[↑7 章トップへ|Palm OS Programmer's Companion Volume I/7]] [[4 節に進む →|Palm OS Programmer's Companion Volume I/7-4]] ---- !!!7-3 標準的なディレクトリ   Palm OS においてユーザーが体験するのは、デスクトップコンピュータにおけるそれよりもシンプルで直感的です。このシンプルさの一部は、Palm OSがユーザーに対してファイルシステムを提供していないという事実から来ています。ユーザーは典型的なファイルシステムの複雑さを理解する必要がないため、アプリケーションはボタンやアイコンを1、2回タップするだけですぐに利用でき、それらのアプリケーションに関連付けられたデータはアプリケーション経由でのみアクセスできます。拡張カード上のファイルシステムをサポートしつつ、このユーザー操作のシンプルさを維持することは、拡張カード上の標準ディレクトリを定めることによって可能になります。 以下の表に、全ての“標準的” な Palm OS のセカンダリストレージのための標準ディレクトリレイアウトを示します。Palm OS に関連する全てのデータは /PALM ディレクトリ(あるいはそのサブディレクトリ配下)に格納して、効率的にその他のファイルと分離するべきです。 ,ディレクトリ,説明 ,/,セカンダリストレージのルート ,/PALM,Palmアプリケーションの作成するデータのほとんどはこのディレクトリのサブディレクトリに格納されます。start.prc は /PALM 配下に格納されます。これはオプションのファイルで、セカンダリストレージのボリュームがマウントされると自動的に実行されます。その他のアプリケーションもこのディレクトリに配置できます。 ,/PALM/Backup,バックアップのために Palm OS によって予約されています。 ,/PALM/Programs,その他のアプリケーションとデータを全て格納します。 ,/PALM/Launcher,ランチャアプリケーションに表示されるアプリケーションのホームディレクトリです。 Palm OS のランチャは拡張カードを検出できるようになっています。ファイルシステムを備えた拡張カードが挿入されると、/PALM/Launcher ディレクトリ配下の全てのアプリケーションの一覧が、ランチャの新しいカテゴリに自動的に追加されます。この新しいカテゴリには拡張カードのボリューム名が設定されます。注意が必要なのは、ランチャに表示されるアプリケーションの名前は、アプリケーションの 'tAIN' リソース( アプリケーションアイコン名 )に格納された名前か、リソースが含まれていない場合はデータベース名であり、ファイル名とは同じである場合もそうでない場合もあるということです。 ::NOTE :::可能な限り .prc ファイルのファイル名とデータベース名には同じ名前をつけて下さい。.prc ファイル名とデータベース名が異なっていると、カードから本体にコピーしたアプリケーションをさらにカードにコピーした際、ファイル名が変わってしまう場合があります。これは、アプリケーションがハンドヘルドからカードにコピーされる際、データベース名を使用するためです。 書込み可能なボリュームがマウントされると、ランチャは自動的に /PALM および /PALM/Launcher ディレクトリを(まだなければ)作成します。/PALM/Launcher ディレクトリ(が既にあったとして、その)配下にアプリケーションが存在すれば、ランチャは start.prc がその中に含まれていない限りカード上のアプリケーション一覧を表示します。これらの標準ディレクトリに加えて VFS マネージャはデフォルトディレクトリという概念をサポートしています。これは、特定の種類のデータが通常保存されるディレクトリを指定するものです。詳細は「[[ファイルタイプからのデフォルトディレクトリの取得|Palm OS Programmer's Companion Volume I/7-9]]」を参照して下さい。   ---- [[← 2 節に戻る|Palm OS Programmer's Companion Volume I/7-2]] [[↑7 章トップへ|Palm OS Programmer's Companion Volume I/7]] [[4 節に進む →|Palm OS Programmer's Companion Volume I/7-4]]