Palm Programmer's Laboratory
Palm OS Programmer's Companion Volume I/2-1
2-1 起動コードとアプリケーションの起動
アプリケーションは、起動コードの受信によって起動します。起動コードは Palm OS とアプリケーションの間(あるいはアプリケーション間)のコミュニケーションを意味しています。
例えば、アプリケーションは通常、ユーザーがデバイスのボタンを押すか、アプリケーションランチャ画面でアイコンを選択することによって起動します。この時システムは、アプリケーションに完全に起動してユーザーインターフェースを表示するように指示する sysAppLaunchCmdNormalLaunch 起動コードを発行します。
その他の起動コードは、アプリケーションになんらかのアクションをするように指示しますが、これによってカレント(つまりユーザーが目にする)アプリケーションになることはありません。わかりやすい例としては、グローバル検索機能に関する起動コードがあります。グローバル検索機能によってユーザーは全てのデータベースから特定のレコードを名前などによって検索することができます。この場合、データベースにアクセスして対象のレコードを検索するためだけにそれぞれのアプリケーションを ── ユーザーインターフェースも含めて ── 完全に起動するのは無駄というものです。起動コードを使うことによって、このようなオーバーヘッドを回避できます。
それぞれの起動コードには2種類の情報が付随します。
- パラメータブロック。これはいくつかのパラメータを含む構造体を指すポインタです。これらのパラメータは起動コードを処理するために必要な情報を含んでいます。
- アプリケーションがどのように振る舞うべきかを指示する起動フラグ。例えば、このフラグはアプリケーションが UI を表示すべきか否かをを指示するために使われます。(「 Palm OS Programmer's API Reference 」 の“起動フラグ”を参照して下さい。)
起動コードの一覧はこの章の終わりにある「 2-9 起動コードの要約 」 にまとめてあります。その章では、API リファレンスでそれぞれの起動コードについて説明している部分へのリンクも示してあります。