Palm Programmer's Laboratory
Palm OS Programmer's Companion Volume II/5-3
5-3 シリアル通信アーキテクチャ階層
シリアル通信ソフトウェアは多重レイヤを持っています。上層のレイヤは、下層のレイヤが提供する原始的な機能性に依存しています。アプリケーションは全レイヤの機能性を利用できます。ソフトウェアは以下のレイヤから成り立っています。
- シリアルマネージャは、最下層のレイヤであり、シリアルポートと各種シグナル( RS-232、 USB、赤外線 )の制御を扱い、バイトレベルのシリアル I/O を提供します。「シリアルマネージャ」?を参照して下さい。
- モデムマネージャは、モデムダイアル能力を提供します。
- シリアルリンクプロトコル( Serial Link Protocol:SLP )は、CRC-16 によるベストエフォートのパケット送受信能力を提供します。パケットの配達は高レベルプロトコルに任されています。つまり、SLP はそれを保証しません。「シリアルリンクプロトコル」?を参照して下さい。
- パケット組立/解体プロトコル( Packet Assembly/Disassembly Protocol:PADP )はバッファされたデータを送受信します。PADP は、強力なエラーチェックと自動リトライにより、可変長ブロックの転送に特徴のある有用なプロトコルです。アプリケーションはシステムのこの部分にアクセスする必要はありません。
- デスクトップリンクプロトコル( Desktop Link Protocol:DLP )は、Palm OS データストレージやその他サブシステムへのリモートアクセスを提供します。
- DLP は、リモートアプリケーション間通信( Remote Interapplication Communication:RIAC )やリモートプロシージャコール( Remote Procedure Calls:RPC )と同様に、デスクトップ( PC または Macintosh )と Palm OS 間の効率の良いデータ同期や、データベースのバックアップ、コードパッチ/機能拡張/アプリケーション/その他データベースのインストール、を容易にします。
図 5.1 は通信レイヤの図です。
Figure 5.1 Palm OS Serial Communications Architecture