Palm Programmer's Laboratory
Palm OS User Interface Guidelines/7-1
7-1 スクロールバーとスクロールボタンの選択
テーブルやリスト、フィールド、あるいはビットマップなど、フォームのコンテンツをスクロールするためには、スクロールバーかスクロールボタンを使用します。スクロールバーは画面の右端に表示されます(図 7.1 参照)。
図 7.1 スクロールバー
スクロールボタンはフォームの下部に表示される矢印です(図 7.2 参照)。
図 7.2 スクロールボタン
スクロールバーとスクロールボタンからいずれかを選択する場合、以下の点を考慮して下さい。
- 行単位でのスクロールが必要か?
スクロールバーは行単位とページ単位の両方でのスクロールをサポートしています。スクロールボタンはページ(1画面分の情報)単位にスクロールします。
ほとんどの複数行の編集可能フィールドでは、ほとんどのユーザーが両方のスクロールモードを必要とします。そのため、複数行のテキストフィールドでは常にスクロールバーを使用するべきです。それ以外の UI 要素では、ページ単位でのスクロールで十分であればスクロールバーとスクロールボタンのどちらを使用しても良いでしょう。
- 位置を示すインジケータが必要か?
スクロールバーは、データベース中のデータ位置(つまりデータの最初のあたりを見ているのか、中程か、それとも終わりの方か)を示す良好なインジケータを提供します。スクロールボタンではデータの最初や最後のあたりにいる場合でも、端にいない限りは上端や下端までの距離を示す情報は得られません。
スクロールバーは位置を示す良いインジケータになるため、データ領域の右端7ピクセルを犠牲にできるのであればスクロールバーを使用するべきです。もし既に明確な位置インジケータがあったりスペースを犠牲にできない場合、スクロールボタンを使用します。たとえば、アドレス帳の一覧ビューはアルファベット順にソートされているため、ユーザーはデータの大体どのあたりにいるのかを知ることができます。アドレス帳は連絡先の電話番号や電子メールアドレスの表示領域を広げるためにスクロールボタンを使用しています(図 7.3 参照)。
図 7.3 位置の提示
- 想定ユーザーはスクロールバーを操作可能か?
スクロールバーはペンで操作するには幅が狭く、特定の状況では使い難い場合があります。自動車や電車での使用、あるいは高齢者など、想定される条件下ではスクロールバーの操作が困難になるのです。スクロールバーは画面の右端にあるため、左利きのユーザーはどれくらいスクロールしたのかを確認しにくい場合もあります。彼らはスクロールバーに依存し過ぎたアプリケーションにはイライラしてくることでしょう。
想定ユーザーの大多数がモバイラーか高齢者の場合、スクロールボタンをサポートした方が良いと考えるかもしれません。ただし、ハンドヘルドのスクロールハードボタンが使えれば良いと考えるユーザもいます。スクロールバーを使用したいのであれば、スクロールハードボタンもサポートするようにして下さい。
- 右揃えのデータを表示するか?
画面の右端になんらかのコントロールを表示する場合、おそらくスクロールボタンを使用した方が良いでしょう。さもなければ、スクロールバーを操作しそこねたユーザーが誤ってコントロールをタップしてしまうことになります。
たとえば、アドレス帳の一覧ビューは、一番右のカラムがコントロールになっています。このコントロールをタップすることで、その連絡先にノートを追加することができます。アドレス帳でこのカラムのすぐ右にスクロールバーがあったとすると、ユーザーはスクロールバーを操作しようとして誤ってノートアイコンのカラムをタップしてしまう場合があるでしょう。