Palm Programmer's Laboratory
Palm OS User Interface Guidelines/A
付録 A 覚えておくべき 10 項目
この付録では、開発者が忘れて、あるいは無視してしまいがちな Palm OS アプリケーションのデザインガイドラインを 10 項目に要約します。それぞれの要約について詳細にガイドラインを説明している本書内のセクションも示します。
1.ユーザーについて検討すること
ハンドヘルドアプリケーションデザイナがもっともしでかしがちなミスは、全てのアプリケーションデザイナがどこでもやりがちなミスです。すなわち、アプリケーションをデザインする前にユーザーについて学ぶことに失敗し、ユーザーの問題を解決するアプリケーションを提供することに失敗するのです。
10 ページの“デザインプロセス” では、常にユーザーを念頭においたアプリケーション開発をするためのプロセスについて説明しています。
2.画面を混雑させないこと
アプリケーションの習得や表示のナビゲーションは素早く行なえなければなりません。画面がコントロールで混在していると、ユーザーをまごつかせる結果になります。詳細は 3 ページの“高速でシンプル”を参照して下さい。
3.終了ボタンや終了メニューを用意しないこと
Palm ハンドヘルドのユーザーはアプリケーションを終了しません。単純に別のアプリケーションに移動するだけのことです。77 ページの“保存ボタンや終了ボタンは用意しない”を参照して下さい。
このガイドラインから逸脱できる状況の説明については、94 ページの“終了コマンドの追加”を参照して下さい。
4.アプリケーションから抜けられるようにする
ユーザーがアプリケーションからいつでも抜けられるようにしておくべきです。モーダルフォームやアラートダイアログを表示している状態であれば、デフォルトボタンを提供する必要があります。ユーザーがフォームから抜けると、システムはデフォルトボタンのタップをシミュレートします。以下のセクションを参照して下さい。
- 40 ページの“アプリケーションの終了”
- 56 ページの“いつでも終了可能”
- 62 ページの“ここでも常に終了可能”
59 ページの“終了しないモーダルフォーム”ではこのルールの例外について説明しています。
5. 素早く起動すること
アプリケーションが初めて起動される時以外、スプラッシュスクリーンは表示すべきではありません。ほとんどのアプリケーションでは、起動時には常にメインフォームを表示するのではなく、以前ユーザーがアプリケーションから抜けた際に表示していたフォームを表示すべきです。39 ページの“アプリケーションの起動”を参照して下さい。
6. モーダルフォームは慎重に使用する
通常、モーダルフォームは単一の限定的な作業だけに使われるべきです。モードレスフォームはモーダルフォームに対して強く優先されます。モードレスフォームやモーダルフォームの選択に関する詳細な説明は、45 ページの“フォームの種類の選び方”を参照して下さい。
7. コマンドを重複させないこと
同じコマンドに対してコマンドボタンとメニューの両方を用意することには、一般に好ましい理由はありません。74 ページの“コマンドを重複させない”、および 95 ページの“メニューアイテムの重複”を参照して下さい。
8. シフトインジケータと編集メニューを忘れないこと
編集可能なフィールドを含む全てのフォームには、シフトインジケータと編集メニューを用意する必要があります。モーダルフォームでも編集メニューを提供する必要があります。詳細な説明は以下を参照して下さい。
- 132 ページの“編集メニューが必要”
- 132 ページの“シフトインジケータが必要”
- 133 ページの“ほとんどのテキストフィールドではオートシフトを有効にする”
9. フィールドにフォーカスを設定する
編集可能なフィールドのあるほとんど全てのフォームでは、フォームが最初に表示された時点でフィールドにフォーカスが設定されているべきです。これはプログラムによって設定されなければなりません。133 ページの“フォームが表示された時にフォーカスを設定”を参照して下さい。
10. オブジェクト境界のための余地を残す
全ての UI 要素に関して、その境界線はオブジェクトの領域の外側に描画されます。ガイドラインでは全てのオブジェクトは画面の左端から配置すべきだとしています。例えば、画面上にコマンドボタンを配置する場合、実際には1ピクセルのボタン境界線のためにボタンは1ピクセルの位置に配置する必要があります。
詳細な説明は、79 ページの“ボタンはフォーム下部に左揃えで”を参照して下さい。