Palm Programmer's Laboratory
C/C++ Sync Suite Companion601/1
この章は C/C++ Sync Suite を紹介します。コンジットのコンセプト、コンジットを開発するためにあなたは何を必要とするのか、C/C++ Sync Suite は何を提供するのかについて説明します。
この章は以下の節に分かれています:
NOTE: コンジットとコンジットを開発するのに使用できるいくつかの異なる言語についての更なる予備知識は、Introduction to Conduit Development を参照してください。
コンジットの定義 ^TOP^
コンジットは、Palm ハンドヘルド上のアプリケーションのデータとデスクトップ アプリケーションまたはネットワーク データベースのデータとの同期をとる - 必要があれば 2 つのデータ間でデータ フォーマットの変換を行いながら - HotSync マネージャ アプリケーションのためのプラグ-イン モジュールです。HotSync マネージャはコンジットを実行します。コンジットは、ユーザがハンドへルドをクレドルに置いて HotSync ボタンを押したとき、ユーザのデスクトップ コンピュータにインストールされます[1]。コンジットは通常、指定されたハンドヘルド アプリケーション データベースからのデータの同期またはバック アップをとるように設計されます。あなたは PalmSource 社が提供する Windows のための Palm OS Conduit Development Kit (CDK) を形成しているスイートのいずれかでコンジットを開発することができます(Introductioin to Conduit Development の中の コンジットの開発 を参照してください)。
C API-ベース コンジットは、C/C++ Sync Suite で作成される Windows DLL です。Windows システム上で実行されている各 C API-ベース コンジットは、標準ダイナミック リンク ライブラリ(DLL)です。あなたのコンジット コードは他のいずれかの DLL が実行できるアクションを実行します。しかしながら、HotSync プロセスの整合性を保つために、コンジットは Introduction to Conduit Development の中の コンジット設計の原理 で説明されているある特定の設計目標に適合する必要があります。
NOTE: あなたはあなたの C API-ベース コンジットを標準 DLL としてビルドしなければなりません。拡張 DLL としてビルドしないでください。
C/C++ Sync Suite で開発されたコンジットのいずれかを、Palm OS プラットフォーム ライセンシ(ライセンスを受けた人)によって開発されたハンドヘルドを含むいずれかの Palm ハンドヘルドに接続するために使用することができます。
コンジットはデスクトップ アプリケーションまはた Windows デスクトップ コンピュータ上で実行されている他のシステム アプリケーションと Palm ハンドヘルド上で実行されているアプリケーションとの間でデータの交換と同期を行います。これを行うために、ユーザは以下のステップを実行しなければなりません:
- Palm OS デスクトップ ソフトウェアまたは Palm OS ライセンシから提供される他のデスクトップ アプリケーションをインストールする。このソフトウェアは HotSync マネージャを含みます。
- ハンドヘルドと共に提供されたインストール ドキュメントの説明に従ってクレドルをインストールする。
- ハンドヘルドをクレドルに挿入する(または他の接続タイプ経由で)。
- クレドル上の HotSync ボタンを押す(またはハンドヘルドの上の HotSync クライアント アプリケーションを開始して、ディスプレイ上の HotSync ボタンをタップする)。
HotSync マネージャは、アプリケーションのために設計されたコンジットを実行することによって各アプリケーションの同期をとります。HotSync マネージャは、例えもしコンジットが異なる言語 - 例えば、C/C++ と Java - で書かれていた場合であっても、同じ同期セッションの中で多くのコンジットを実行することができます。
多くのコンジット(Palm ハンドヘルドにビルト-インされている 4 つの最もポピュラーなアプリケーションのためのコンジットを含む)は、ハンドヘルドとデスクトップ コンピュータとの間で同期をとり、それにより同期後にそれらはミラー イメージとなります(訳者注: ハンドヘルドとデスクトップ コンピュータが同じデータを持つということ)。他のコンジットは更に複雑な操作を実行します。あなたのコンジットの動作の複雑さが開発にかかる労力を決定します。
- [1]HotSync マネージャは、赤外線、モデム、ローカル エリア ネットワーク経由の接続もサポートします。
C/C++ Sync Suite のコンテンツ ^TOP^
この節は、C/C++ Sync Suite のコンテンツについて説明します。
概要 ^TOP^
C/C++ Sync Suite は PalmSource 社が提供する Windows のための Palm OS Conduit Development Kit (CDK) の一部です。C/C++ Sync Suite は、あなたがハンドヘルド ユーザ データにアクセスする C API-ベース コンジットとデスクトップ アプリケーションを開発するのに必要とする以下のファイル、ドキュメント、ライブラリ、サンプル コードを提供します:
- ドキュメント - Introduction to Conduit Development, Conduit Development Utilities Guide, C/C++ Sync Suite Companion, C/C++ Sync Suite Referene を含みます。関連ドキュメント を参照してください。
- C API のためのライブラリとヘッダ ファイル - あなたが C/C++ Sync Suite で開発するプロジェクトをコンパイルするのに必要なライブラリとヘッダ ファイル。
- Palm Foundation Classes' - 多くのサンプルと C/C++ Sync Suite の中で提供される API によって使用されるデスクトップ クラス。
- Generic Conduit Framework - C++ でかかれた Generic コンジットをビルドする間にあなたが参照することができるベース クラス。2 つのフレームワークが提供されます: 1 つは クラシック データベース の同期をとるためのものであり、もう 1 つは 拡張データベース の同期をとるためのものです。
- XML コンジット サンプル コード - Generic Conduit Framwork をベースにしたサンプル。拡張データベースとデスクトップ上の XML ファイルとの同期をとります。
- コンジット開発ユーティリティ - あなたがコンジットを開発、デバッグするのを助けるいくつかの不可欠なツール。これらは、すばやく機能的なコンジットを作成するコンジット ウィザードとあなたのコンジットを HotSync マネージャに登録するコンジット コンフィグレーション ユーティリティを含みます。
Top-Level ディレクトリ ^TOP^
インストール時に C/C++ Sync Suite のために以下のディレクトリ構造があなたのシステム上に作成されます。
- <CDK>\Common\Bin
- HotSync マネージャ、サポート DLL、コンジット開発ユーティリティを保持します。
- <CDK>\Common\Docs
- <CDK>\C++\Common
- 拡張 Generic Conduit Framework のための共通のソースとヘッダ ファイル。
- <CDK>\C++\Win
- Windows 用のソース、ヘッダ、ライブラリ、サンプル ファイル。
サンプル ディレクトリ ^TOP^
より容易に開発を始めるために、C/C++ Sync Suite は、あなたの要求に合わせてあなたがカスタマイズできるいくつかのサンプルを含んでいます。以下のすべてのディレクトリは <CDK>\C++\Win\Samples の中にあります。
- GenericConduit\
- Base\
- 拡張データベースのためのベース Generic Conduit Framework。
- Classic\
- クラシック データベースのための Generic Conduit Framework。PFC_OLD サブフォルダはクラシック データベース用の PFC ソースとヘッダ ファイルを保持しているということに注意してください。
- SamplePrc\
- クラシック データベースではなく拡張データベースを使用するメモ帳アプリケーションの移植バージョン(原文: ported version。port は「移植」を意味するのか、それとも「データの受け渡し」を意味するのか?)。あなたはこのアプリケーションを使って拡張 Generic Conduit Framework の実験を行うことができます。サブフォルダは Palm OS Cobalt ハンドヘルドと Palm OS Cobalt シミュレータのためのバージョンを保持しています。
- XML\
- デスクトップ上の XML ファイルと同期をとる拡張 Generic Conduit Framework のサブクラス化されたバージョン。
- Base\
- MSVC.NET 7.0 Wizard\
- VC .NET 2002 のためのコンジット ウィザード ファイル。
- MSVC.NET 7.1 Wizard\
- VC .NET 2003 のためのコンジット ウィザード ファイル。
CDK のインストーラが VC .NET がインストールされているのを検知した場合、自動的にコンジット ウィザードの適切なバージョンをインストールします。Samples フォルダにインストールしないコンジット ウィザードのバージョンのみをおきます。Conduit Development Utilities Guide の中の コンジット ウィザードのインストール|Conduit Development Utilities Guide/0 を参照してください。
(訳者: VC .NET 2005 でこのウィザードを実行する方法をご存知の方は是非教えてください。)
- VC .NET 2003 のためのコンジット ウィザード ファイル。
- PDNotify\
- デスクトップ アプリケーション通知機能 API を使って HotSync マネージャ経由で Palm OS デスクトップ ソフトウェアと通信する通知機能のための C ソース コード。
- UserDataApp\
- デスクトップ ユーザ情報を閲覧、変更するための ユーザ データ API を呼び出す小さなアプリケーションのための C++ ソース コード。ビルド前の実行可能ファイルは <CDK>\Common\Bin フォルダの中でも提供されます。