Palm Programmer's Laboratory

トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ RSS ログイン

Introduction to Conduit Development601/1

← 0 章に戻る ↑トップへ 2 章に進む →

1 Palm OS CDK の新機能

ここでは、Palm OS CDK の最近のリリースで使用可能になった機能強化と新しい機能を要約します。

  • CDK 6.0.1 の新機能
    • CDK 6.0/6.0a のリリース以後に使用可能になった新しい機能と機能強化についてです。
  • CDK 6.0/6.0a の新機能
    • CDK 4.03 のリリース以後に使用可能になった新しい機能と機能強化についてです。
  • CDK 4.03 の新機能
    • CDK 4.02/4.02a のリリース以後に使用可能になった新しい機能と機能強化についてです。

CDK 6.0.1 の新機能 ^TOP^

Palm OS Conduit Development Kit (CDK) バージョン 6.0.1 は、開発者が Microsoft Visual C++ .NET 2003 と Microsoft Visual Basic .NET 2003 を使ってコンジットを作成することを可能にします。

CDK 6.0.1 の内容は:

  • C API-ベース コンジットのための C/C++ Sync Suite
  • COM-ベース コンジットのための COM Sync Suite

サポートされる HotSync マネージャと同期マネージャのバージョン ^TOP^

CDK バージョン 6.0.1 は HotSync マネージャ バージョン 6.0.1 のためのコンジット開発を完全にサポートします。CDK 6.0.1 で作成されるコンジットはより以前のバージョンの HotSync マネージャでも機能します。しかし、コンジットが新しい機能を使用しない - 例えば、HotSync マネージャ バージョン 6.0 より前では、クラシック データベースへのアクセスは機能しますが、スキーマ データベースのアクセスは機能しません - 場合にのみ以前のバージョンの HotSync マネージャで機能します。

重要
PalmSource 社は、あなたがあなたのコンジットをそれが機能しなければならないすべての HotSync マネージャのバージョンでテストすることを強く推奨します。あなたのコンジットがバージョン 6.0.1 で機能するからといって、それがバージョン 4.x や 3.x で機能すると推測してはいけません。

表 1.1 は、HotSync マネージャのどのバージョンが同期マネージャ API のどのバージョンに対応するのかを示しています。また、各同期マネージャ バージョンがアクセスすることができるデータベースのタイプについても示しています。


表 1.1 HotSync マネージャと同期マネージャのバージョンの比較

HotSync マネージャ バージョン 同期マネージャ API バージョン サポートされるデータベースのタイプ
3.x 2.2 クラシック
4.x 2.3 クラシック
6.0 2.4 スキーマ、拡張、クラシック
6.0.1 2.5 スキーマ、拡張、クラシック

他の機能がどのバージョンで使用可能か決定するには、参照ドキュメントの各関数の説明の「互換性」の箇所、C/C++ Sync Suite Reference「改訂履歴」COM Sync Suite Reference「改訂履歴」|COM Sync Suite Reference601/A を参照してください。

CDK 6.0.1 のための開発システムの必要条件 ^TOP^

この CDK でコンジットを開発するには、あなたの開発システムは少なくとも以下のものを備えていなければなりません:

  • Windows 2000 または XP 上の Mircrosoft Visual Studio .NET (Visual C++ または Visual Basic) 2003
    Visual Studio .Net 2002 と Visual Basic 6 は機能されることが実証されていますが、公式にはサポートされません。他の COM を使用可能な開発環境が COM Sync Suite で使用されるかもしれませんが、PalmSource 社によって公式にサポートされてはいません。
  • 55 MB のディスクの空き容量とあなたの開発環境出必要とされる RAM。
  • テストするためのクレドル/ケーブルとソフトウェアを持つ Palm ハンドヘルド、または、Palm OS Simulator (Conduit Development Utilities Guide第 8 章 「Palm OS Simulator との同期」? を参照してください)。

CDK 6.0.1 で開発されたコンジットのための実行システムの必要条件 ^TOP^

PalmSource 社はこの CDK でビルドされたコンジットの実行を以下の必要条件を満たすエンド ユーザのシステムでサポートします:

再配布可能な COM 同期ライブラリ ^TOP^

HotSync マネージャ バージョン 6.0 以降は COM-ベース コンジットを実行するのに必要とされる COM 同期ライブラリを含みますが、6.0 よりも前のバージョンは含みません。それゆえ、あなたは COM 同期ライブラリを再配布するかもしれません。しかし、6.0 よりも前のバージョンの HotSync マネージャを実行しているシステムにコンジットをインストールするためだけに再配布してください。

COM Sync Suite Companion「インストールするファイル」|COM Sync Suite Companion601/4 を参照してください。

すべての Windows ユーザのための COM-ベース コンジットの登録 ^TOP^

CDK 6.0.1 は新たに COM-ベース コンジットをすべての Windows ユーザのために登録することをサポートします。新しい PDSystemCondMgr|COM Sync Suite Reference601/3 オブジェクトは、現在のユーザだけではなくすべての Windows ユーザのためにコンジットを登録するという点を除き、すでに存在していた PDCondMgr|COM Sync Suite Reference601/3 オブジェクトと同じものです。

NOTE
COM 同期はシステムのために登録される通知機能またはインストール コンジットを登録、管理するための手段を提供しません。

HotSync マネージャがどのようにユーザのために登録されるコンジットとシステムのために登録されるコンジットを扱うのかについての更なる情報は、「ユーザのため、システムのために登録されるコンジットと通知機能」 を参照してください。

COM-ベース コンジットに求められるコンジット/アプリケーションの要求から逃れる ^TOP^

CDK 6.0.1 は、COM-ベース コンジットがコンジット/アプリケーションの要求から逃れるかどうかを選択することをサポートします。依然としてクリエイタ ID はすべてのコンジットに対して一意に識別されるために必要です。しかし、HotSync マネージャが COM-ベース コンジットの IPDClientNorify|COM Sync Suite Reference601/2.GetConduitInfo()|COM Sync Suite Reference601/4 エントリ ポイントを呼び出したときに COM-ベース コンジットがどのように応答するか次第で、HotSync マネージャはたとえハンドヘルド上に対応するアプリケーションが無い場合であってもそのコンジットを実行します。この機能の使用が言外に意味することに気付いてください。これはハンドヘルド上に「孤児」(原文: orphaned、対応するアプリケーションが無いという意味と思われる)のデータベースを容易に作成できるということです。

NOTE
HotSync マネージャ バージョン 6.0 以降では、COM 同期モジュールはデフォルトですべての COM-ベース コンジットに対するコンジット/アプリケーション要求から逃れています。つまり、COM-ベース コンジットが GetConduitInfo()infoType パラメータが ePDRunAlways であるケースを扱わない場合、HotSync マネージャはハンドヘルド上に一致するアプリケーションがあるかどうかに関係なくそのコンジットを実行します。この振る舞いはバージョン 6.0 より前でのデフォルトの振る舞いとは異なることに注意してください。

COM-ベース コンジットがカスタム ダイアログ ボックスと進捗ダイアログ ボックスに表示されるのを防ぐ ^TOP^

CDK 6.0.1 は、COM-ベース コンジットが HotSync マネージャがコンジットの名前を Custom ダイアログ ボックスと 'HotSyn Progress ダイアログボックスに表示するのを防ぐことをサポートします。そうするには、COM-ベース コンジットは IPDClientNorify|COM Sync Suite Reference601/2.GetConduitInfo()|COM Sync Suite Reference601/4 メソッド経由で渡される 2 つの新しい列挙値に応答します。HotSync マネージャ バージョン 6.0 以降のみがこれらの新しい値を渡します。

単一呼び出しでのデータベースのバックアップ ^TOP^

Sync マネージャ API バージョン 2.5 は、あなたがデータベースをバックアップすることを可能にする呼び出しを追加します:

Palm OS Cobalt ハンドヘルド上のアプリケーションの呼び出し ^TOP^

Sync マネージャ API バージョン 2.5 は、Palm OS Cobalt ハンドヘルド上のアプリケーションを呼び出す能力を追加します:

これらの呼び出しは Palm OS Cobalt ハンドヘルドに対してのみ機能します。Palm OS Garnet やそれより以前のハンドヘルドのためには、あなたは引き続き SyncCallRemoteModule() または CallRemoteModule()|COM Sync Suite Reference601/4 を使用しなければなりません。

Palm OS Cobalt ハンドヘルド上の拡張カードとのデータベースのエクスポート/インポート ^TOP^

VFS マネージャ API バージョン 1.1 は、コンジットが Palm OS Cobalt バージョン 6.0.1 以降を実行しているハンドヘルド上の拡張カードとデータベース イメージをエクスポート/インポートすることを可能にする 2 つの呼び出しを追加します。これらの関数はすべてのデータベース タイプ(スキーマ データベース、拡張データベース、クラシック データベース)を扱うことができます。

これらの呼び出しのすでに存在していたバージョン(VFSImportDatabaseFromFile()|C/C++ Sync Suite Reference601/10VFSExportDatabaseToFile()|C/C++ Sync Suite Reference601/10)は、Palm OS Cobalt ハンドヘルドを使用している場合、非難されます。

CDK 6.0.1 では、これらの新しい関数は C/C++ Sync Suite でのみ使用可能です。

新しい COM Sync Suite メソッド ^TOP^

CDK 6.0.1 では、COM Sync Suite は PSDDatabaseUtilities|COM Sync Suite Reference601/3 オブジェクトを追加します。このオブジェクトは以下の新しいメソッドを含みます:

便利さのために、このオブジェクトは PSDDatabaseQuery|COM Sync Suite Reference601/3 ですでに提供されていた他のいくつかのメソッドを含みます。

HotSync ログの HTML サポート ^TOP^

HotSync マネージャ 6.0.1 は HotSync ログをデスクトップに ASCII テキスト ファイルではなく HTML ファイルとして保存します。これは、HotSync マネージャが HotSync マネージャまたはコンジットが指定する「アクティビティ」値に基づいてログ エントリをフォーマットすることを可能にします。特別なアクティビティ値を指定することによって、コンジットは HTML コードにカスタム フォーマット、ハイパーテキスト リンク、スクリプトを渡すことができます。

更なる情報は、Introduction to Conduit Development「HotSync ログへのメッセージの追加」 を参照してください。

C++ Generic Conduit Framework ^TOP^

CDK 6.0.1 は以下の C++ Generic Conduit Framework を追加します:

  • クラシック C++ Generic Conduit Framework。これは CDK 4.03 で提供されたものと同じですが、CDK 6.0 では欠けていました。
    • Palm OS CDK\C++\Win\Samples\GenericConduit\Classic
  • クラシック メモ帳アプリケーションの移植バージョン [1]。これはクラシック データベースではなく、拡張データベースを使用します。あなたが拡張 C++ Generic Conduit Framework を体験するのを助けるために、あなたはこのアプリケーションを使って同期を行うことができます。
    • Palm OS CDK\C++\Win\Samples\GenericConduit\SamplePrc
  • [1]原文は ported version、port は「移植」を意味するのか、それともハンドヘルドとデスクトップ間のデータの「やり取り」を意味するのか?

新しい CDK インストール フォルダ名 ^TOP^

CDK 6.0.1 インストーラは新しいデフォルト インストール パスを使用します:

    C:\Program Files\PalmSource\Palm OS CDK

あなたは CDK を他の場所にインストールすることができます。しかし、あなたは CDK ディレクトリ名を Palm OS CDK から変更することはできないということに注意してください。

継続されないファイル リンク機能 ^TOP^

ファイル リンクは HotSync マネージャ 6.0 では軽視され、HotSync マネージャ 6.0.1 では継続されません。結果として、HotSync マネージャと CDK 6.0.1 には以下のように変更されました:

  • ファイル リンク機能はもはや存在しません。HotSync マネージャはもはやいかなるコンジットのファイル リンク エントリ ポイント - ImportData() - も呼び出しません。さらに、HotSync メニューの File Link 項目はもはや存在しません。
  • Subscribe.h はもはや CDK 6.0.1 にはありません。このヘッダはファイル リンク API を宣言していました。
  • ファイル リンク ユーザ インターフェイスを呼び出すすべての API は軽視されます。これらには、HsDisplayFileLink(), PDHotSyncUtility|COM Sync Suite Reference601/3.LaunchFileLinkDlg()|COM Sync Suite Reference601/4 が含まれます。

参照 ^TOP^ ^TOP^

C/C++ Sync Suite Reference「C/C++ Sync Suite 6.0.1 の変更点」, COM Sync Suite Reference「COM Sync Suite 6.0」|COM Sync Suite Reference601/A

CDK 6.0/6.0a の新機能 ^TOP^

Palm OS Conduit Development Kit (CDK) バージョン 6.0/6.0a は、開発者が Microsoft Visual C++ .NET 2002 と 2003、Microsoft Visual Basic 6.0/.NET を使ってコンジットを作成することを可能にします。

CDK 6.0/6.0a は以下のものを含みます:

  • C API-ベース コンジットのための C/C++ Sync Suite
  • COM-ベース コンジットのための COM Sync Suite

CDK 6.0/6.0a のための開発システムの必要条件 ^TOP^

Table 1.2 は、あなたが CDK 6.0/6.0a で提供される各 Sync Suite を使用することができるサポートされる開発環境とプラットフォームの完全なリストです。


表 1.2 CDK 6.0/6.0a でサポートされる開発環境とプラットフォーム

開発環境とプラットフォーム C/C++ Sync Suite COM Sync Suite
Microsoft Visual Studio .NET (Visual C++ と Visual Basic) 2002 と 2003:
Windows 2000 と XP
Yes Yes
Microsoft Visual Basic バージョン 6:
Windows 2000 と XP
N/A Yes

CDK 6.0/6.0a で開発されたコンジットのための実行システムの必要条件 ^TOP^

CDK 6.0/6.0a は、Microsoft Windows 98SE, ME, 2000, XP を実行しているエンド ユーザ マシン上でのコンジットの実行をサポートします。

Palm OS Cobalt ハンドヘルド上での拡張データベースとスキーマ データベースのための同期マネージャ サポート ^TOP^

同期マネージャ API のためのヘッダファイルは、あなたが容易にあなたのコンジットが同期するデータベースのタイプにアクセスする関数だけをインクルードできるようにするために、再組織化されました。同期マネージャ バージョン 2.4 は、異なるタイプのデータベースにアクセスするために、3 セットの API とヘッダから構成されます。

  • クラシック データベース にアクセスするための SyncMgr.h。Palm OS <= 4 での Native と、Palm OS GarnetPalm OS Cobalt 上の PACE の中で実行されているもの。
  • 拡張データベース にアクセスするための SyncDm.h(クラシック データベースと似ていますが、レコード サイズは 64KB に制限されません)。Palm OS Cobalt のみ。
  • スキーマ データベース にアクセスするための SyncDb.h(多くの新しい機能を持つ自己記述を行う行-ベースのデータベースです)。Palm OS Cobalt のみ。

さらに、新しい SyncCommon.h ヘッダがあります。これはすべてのタイプのデータベースで共通であるか、データベース タイプに依存しないユーティリティ関数のどちらかである API と定義を宣言します。

これらと他の同期マネージャ API の変更点についてのさらに詳細は、C/C++ Sync Suite Reference「同期マネージャ API バージョン 2.4 の変更点」 を参照してください。

スキーマ データベースのための新しい同期モード ^TOP^

HotSync マネージャ 6.0 は、スキーマ データベース専用の新しい同期モードをサポートします: 削除(purge)後の高速同期です。これは、スキーマ同期マネージャが現在のデスクトップとの最後の HotSync 実施の後にハンドヘルド上の削除された(deleted)同期単位のインスタンスが削除された(purged)されたと決定することができる点を除いて、高速同期と同じです。すべての変更フラグが有効であり、そのため、コンジットがする必要があるのは削除された(purged)同期単位の ID リストを読み込み、各同期単位の削除された(purged)インスタンスを識別するためにそれらをデスクトップ上のデータと比較することだけです。

ハンドヘルド上のデータ マネージャは非スキーマ データベースに対してよりもスキーマ データベースに対して変更情報をより詳細に追跡するため、コンジットはスキーマ データベースに対して異なったやり方で同期モードを決定しなくてはなりません。同期モードを決定するために OpenConduit() の中の CSyncProperties::m_SyncType (または、COM 同期では PDHotsyncInfo|COM Sync Suite Reference601/3.SyncType|COM Sync Suite Reference601/5 プロパティ)を使用しないでください。代わりに、あなたのコンジットが同期させる各スキーマ データベースに対して SyncDbGetSyncMode()|C/C++ Sync Suite Reference601/2 (または、PSDDatabaseAdapter|COM Sync Suite Reference601/3.GetSyncTypeInfo()|COM Sync Suite Reference601/4)を呼び出します。

スキーマ データベース同期の終了時に、データベースをクローズするときに忘れずに SYNC_CLOSE_DB_OPT_SYNCED_ALL_CHANGES フラグで SyncDbCloseDatabase()|C/C++ Sync Suite Reference601/2 (または、bSeenAllChanges パラメータで PSDDatabaseQuery|COM Sync Suite Reference601/3.CloseDatabase()|COM Sync Suite Reference601/4)を呼び出してください。そうしなかった場合、変更されている(訳者注: 状態フラグなどのことを言っていると思われる。同期が完了したら状態フラグはリセットすることが多い)すべての行は次の同期でも変更されたままです。

すべての Windows ユーザのための C API-ベース コンジットの登録 ^TOP^

HotSync マネージャ バージョン 6.0 は、現在の Windows ユーザのためだけではなくすべての Windows ユーザのために実行されるシステム コンジットをサポートします。現在のユーザだけのために実行されるコンジット(以前のすべてのコンジット)は今後はユーザ コンジットと呼ばれます。作成者 ID の固有性はまだコンジットに対して求められますが、同じ登録レベルでのみ求められます。2 つのユーザ コンジットまたはシステム コンジットが同じ作成者 ID で登録される場合、それはやはり衝突します; しかし、1 つのユーザ コンジットと 1 つのシステム コンジットが同じ作成者 ID で登録される場合、そのユーザ コンジットは実行されます(訳者補足: 衝突が起きない)。このことは、Windows ユーザごとに異なるコンジット コンフィグレーションを持つことを可能にします。

COM-ベース コンジットはシステム コンジットとして登録することができますが、CondCfg ユーティリティまたは C/C++ Sync Suite で提供されるコンジット マネージャ API を使用することによってのみ登録することができます。COM Sync Suite の PDCondMgr|COM Sync Suite Reference601/3 オブジェクトはユーザ コンジットだけを登録できます。

フォルダ ベース コンジット登録 ^TOP^

HotSync マネージャ バージョン 6.0 はフォルダ ベース コンジット登録と呼ばれる新しいコンジット登録の手法をサポートします。これは、API 呼び出しをまったく必要としません。コンジットの登録情報 (コンジットのクリエイタ ID、ディスプレイ タイトルなど) を API に渡す代わりに、HotSync マネージャは GetConduitInfo() を使ってコンジットにこの情報を問い合わせます。HotSync マネージャは特別なフォルダ - すべての Windows ユーザのために 1 つのシステム フォルダ、各 Windows ユーザのために 1 つの固有なユーザ フォルダ - を参照することによってこれらのコンジットを見つけます。

現在のところ、フォルダ ベース コンジット登録は C API-ベース コンジットだけをサポートします; COM-ベース コンジットはサポートしません。

コンジット/アプリケーション要求から逃れる ^TOP^

HotSync マネージャ バージョン 6.0 は、コンジットがそのコンジットを実行するためにはハンドヘルド上に同じクリエイタ ID を持つアプリケーションが存在しなければならないという要求から「逃れる」ことを許可します。依然としてクリエイタ ID はすべてのコンジットに対して一意に識別するために必要とされます。しかしながら、C API-ベース コンジットは GetConduitInfo() エントリ ポイントに正しく応答する場合、HotSync マネージャはたとえハンドヘルド上に対応するアプリケーションが無いコンジットであっても実行します。この機能が暗示していることを認識するよう注意してください。なぜなら、これは容易にハンドヘルド上に「孤児」のデータベース (訳者: 対応するアプリケーションが無い、使用されないデータベース) を作り出してしまうからです。

NOTE
HotSync マネージャ 6.0 の COM 同期モジュールはすべての COM-ベース コンジットに対するコンジット/アプリケーション要求から逃れています; COM-ベース コンジットに対しては明示的なアクションは何も求められません。これは以前のリリースから変更された点です。

C API-ベース コンジットがカスタム ダイアログ ボックスと進捗ダイアログ ボックスに表示されるのを防ぐ ^TOP^

HotSync マネージャ バージョン 6.0 は、コンジットがそのコンジットの名前が カスタム ダイアログ ボックスと HotSync 進捗ダイアログ ボックスの中にリスト アップされるのを防ぐことを可能にします。そうするには、コンジットは GetConduitInfo() エントリ ポイント経由で渡される 2 つの新しい列挙値に応答します。

HotSync マネージャ 6.0 とともにインストールされる COM 同期ライブラリ ^TOP^

COM-べース コンジットを実行するのに必要とされる COM 同期ライブラリは、今では HotSync マネージャ バージョン 6.0 以降の一部としてインストールされます。あなたのコンジットが以前のバージョンの HotSync マネージャを実行しているマシンにインストールされる必要がない限り、以前のリリースとは異なり COM-ベース コンジット インストーラはミニ インストーラ (原文: mini-installer) を必要としません。依然としてあなたは CDK 4.03 からミニ インストーラを入手することができます。

デスクトップに保存されるハンドヘルドの Palm OS バージョン ^TOP^

HotSync マネージャ バージョン 6.0 はユーザのハンドヘルドの Palm OS バージョンをデスクトップの ユーザ データ保存場所 に保存します。これは、デスクトップ アプリケーションが HotSync 中でなくてもユーザ データ API を使ってこの情報を取得することを可能にします。

C では、UmGetInteger() を呼び出して C/C++ Sync Suite Reference「Palm OS バージョンのセクション名とキー名」 で定義されているセクション/キー名を指定します。

COM では、PDUserData.GetIntegerValue() を呼び出して同じセクション/キー名を指定します。

以前は、コンジットは HotSync 中にだけ SyncReadSystemInfo() または PDSystemAdapter.RomSoftwareVersion を使ってバージョン番号を取得することができました。今では、あなたは両方の方法でその情報を取得することができます。

拡張 C++ Generic Conduit Framework ^TOP^

C/C++ Sync Suite は拡張 C++ Generic Conduit Framework サンプルを含みます。これはテストされていない、サポートされないサンプルです。実験目的でのみ使用してください。

Visual Studio .NET に統合されたドキュメント ^TOP^

今では CDK ドキュメントは完全に Visual Studio .NET に統合されています。"Palm OS Conduit Development Kit 6.0" コレクションを閲覧するには、Help > Contents をクリックします。さらに、ドキュメントは Visual Studio .NET のダイナミック ヘルプと F1 ヘルプ Feature をサポートします: コード エディタの中で CDK API をタイプするか選択するとダイナミック ヘルプ ウィンドウに関連トピックが現れます; そのトピックをクリックするか、F1 を押します。

あなたがまだ Visual Studio 6 を使っている場合、利便性のために CDK はさらに同じドキュメントを HTML ヘルプ フォーマットで持っています。スタート メニューから、Programs > PalmSource > Conduit Development Kit > Documentation > Palm OS CDK 6 をクリックします。

継続されなくなった Palm ユーティリティ ActiveX コントロール (PalmCntl.ocx) ^TOP^

PalmCntl.ocx は CDK 4.03 で使用を推奨されなくなり、CDK 6.0/6.0a ではもはや提供されません。CDK 4.03 からは、同じ機能が以下の COM 同期オブジェクトの中で提供されます: PDCondMgr, PDConduitInfo, PDInstallConduit, PDInstallConduitInfo, PDUserData, PDHotSyncUtility, PDInstall

使用を推奨されなくなったファイル リンク Feature ^TOP^

HotSync マネージャ バージョン 6.0 では、ファイル リンクは使用を推奨されなくなりました。いずれかのデータベース タイプ (スキーマ、拡張、クラシック) とのファイル リンクを実装するコンジットは通常通り機能し続けます。しかしながら、カテゴリに関する制限はそのままで残っています: 15 文字までの名前を持つ 16 個だけのカテゴリ。ある特定のアップグレード シナリオではファイル リンク カテゴリの中のレコードは複写されるということに注意してください。

参照 ^TOP^

C/C++ Sync Suite Reference「C/C++ Sync Suite 6.0 の変更点」, COM Sync Suite Reference「COM Sync Suite 6.0」|COM Sync Suite Reference601/A

CDK 4.03 の新機能 ^TOP^

Palm OS Conduit Development Kit (CDK) バージョン 4.03 は、開発者が Microsoft Visual C++ 6.x/.Net, Microsoft Visual Basic 6.0/.NET, WebGain VisualCafe 4.0/4.0a を使ってコンジットを作成することを可能にします。

CDK 4.03 は以下のものを含みます:

  • C API-ベース コンジットのための C/C++ Sync Suite
  • COM-ベース コンジットのための COM Sync Suite
  • Java-ベース コンジットのための JSync Suite

CDK 4.03 のための開発システムの必要条件 ^TOP^

CDK 4.03 は Visual Studio .NET (バージョン 7) をサポートし、Visual Studio .NET のための新しいコンジット ウィザードを含みます。(コンジット ウィザードは Visual C++ 6.x ではもはや使用することができません。)

表 1.3 はサポートされる開発環境と CDK 4.03 で提供される各 Sync Suite を使用することができるプラットフォームの完全なリストです。


表 1.3 CDK 4.03 がサポートする開発環境とプラットフォーム

開発環境とプラットフォーム C/C++ Sync Suite COM Sync Suite JSync Suite
Microsoft Visual Studio .NET (Visual C++ と Visual Basic のバージョン 7):
Windows NT 4.0 x86, 2000
Yes Yes N/A
Microsoft Visual C++ [2] のバージョン 6:
Windows 98SE, ME, NT 4.0 x86, 2000
Yes Yes No
Microsoft Visual Basic のバージョン 6:
Windows 98SE, ME, NT 4.0 x86, 2000
N/A Yes N/A
WebGain VisualCafe のバージョン 4.0 と 4.0a:
Windows 98SE, ME, NT 4.0 x86, 2000
No No No
  • [2]Visual C++ バージョン 6 のためのコンジット ウィザードは利用できません。

CDK 6.0/6.0a で開発されたコンジットのための実行システムの必要条件 ^TOP^

CDK 4.03 は Microsoft Windows 98SE, ME, NT 4.0 x86, 2000 を実行しているエンド ユーザのマシンでのコンジットの実行をサポートします。

COM Sync Suite Support for Registering ConduitsCOM Sync Suite のコンジット登録、アプリケーション インストール、拡張カードアクセスのサポート ^TOP^

CDK 4.03 は以下のオブジェクトを COM Sync Suite に追加します。


表 1.4 コンジット登録、アプリケーション インストール、サポート オブジェクト
オブジェクト 説明
PDCondMgr インストール中にコンジットを登録するためのメソッド。
PDConduitInfo コンジットを HotSync マネージャに登録するために必要とされるコンジットのプロパティ。
PDInstallConduit インストール中にインストール コンジットを登録するためのメソッド。
PDInstallConduitInfo インストール コンジットを HotSync マネージャに登録するために必要とされるインストール コンジットのプロパティ。
PDHotSyncUtility HotSync マネージャ アプリケーションを制御するためのメソッド。
PDInstall データベース (アプリケーションを含む) を次の HotSync の最中にハンドヘルドにインストールするために (または、ファイルを拡張カードにコピーするために) キューに追加するためのメソッド。
PDUserData デスクトップ コンピュータ上のユーザ データ保存場所にアクセスするためのメソッド。


表 1.5 拡張カード オブジェクト

オブジェクト 説明
PDExpansionManager スロットの存在を検出し、与えられたスロットについての情報を取得します。スロット参照番号を取得します。これは、その後に行われるカード情報を収集のために使用されます。
PDExpansionCardInfo 拡張カードについての情報を提供します: メディア タイプ、製品名、製造者名などです。
PDVFSManager 拡張カード上のファイル システムを表します。
PDVFSVolumeManager 拡張カード上のファイル システムの中にあるボリュームを表します。これをファイルを作成/更新するため、カード サイズや使用方法などを問い合わせるため、ボリューム上にファイルとディレクトリを作成するために使用します。
PDVFSFileManager 与えられたボリュームの中のファイルとディレクトリを管理します。各インスタンスはボリューム参照番号を持ちます。これを既存のファイルとディレクトリをオープンするため、それらを読み込み/書き込みするために使用します。

COM Sync Suite の PIM データベースのサポート ^TOP^

CDK 4.03 は、あなたがより容易にクラシック PIM アプリケーション データベースにアクセスできるようにするために以下のオブジェクトを COM Sync Suite に追加します。


表 1.6 クラシック データベース オブジェクト

オブジェト 説明
PDAddressDbHHRecordAdapter 単一のオープンされたアドレス帳データベースにアクセスするためのメソッドとプロパティ。このオブジェクトを取得するには PDDatabaseQuery|COM Sync Suite Reference601/3 を使用します。
PDDateBookDbHHRecordAdapter|COM Sync Suite Companion601/3 単一のオープンされた予定表データベースにアクセスするためのメソッドとプロパティ。このオブジェクトを取得するには PDDatabaseQuery|COM Sync Suite Reference601/3 を使用します。
PDMemoDbHHRecordAdapter|COM Sync Suite Companion601/3 単一のオープンされたメモ帳データベースにアクセスするためのメソッドとプロパティ。このオブジェクトを取得するには PDDatabaseQuery|COM Sync Suite Reference601/3 を使用します。
PDTodoDbHHRecordAdapter|COM Sync Suite Companion601/3 単一のオープンされた ToDo データベースにアクセスするためのメソッドとプロパティ。このオブジェクトを取得するには PDDatabaseQuery|COM Sync Suite Reference601/3 を使用します。
PDAddressDbHHRecord|COM Sync Suite Companion601/3 ハンドヘルド上のアドレス帳データベースの中のレコードの構造を表します。
PDDateBookDbHHRecord|COM Sync Suite Companion601/3 ハンドヘルド上の予定表データベースの中のレコードの構造を表します。
PDMemoDbHHRecord|COM Sync Suite Companion601/3 ハンドヘルド上のメモ帳データベースの中のレコードの構造を表します。
PDTodoDbHHRecord|COM Sync Suite Companion601/3 ハンドヘルド上の ToDo データベースの中のレコードの構造を表します。

"MFC-less" HotSync マネージャ ^TOP^

CDK のこのリリースは HotSync マネージャ バイナリを 1 つのバージョンだけ含みます; これはまた、Conduit Inspector にメッセージを送ることができる "MFC-less" バージョンでもあります。これは MFC を使用しないため、このバージョンの HotSync マネージャはリリース モードまたはデバッグ モードでコンパイルされたコンジットとともに機能します。あなたがコンジットをデバッグしているとき、あなたは CDK のバージョン 4.02 以前のように HotSync マネージャの特別なデバッグ バージョンを実行する必要はありません。

使用を推奨されなくなった Palm ユーティリティ ActiveX コントロール (PalmCntl.ocx) ^TOP^

CDK 4.03 で PalmCntl.ocx はまだ提供されサポートされますが、CDK 4.03 以降の CDK ではこれは無くなるかもしれません。CDK 4.03 からは、同じ機能が以下の COM 同期オブジェクトで提供されます: PDCondMgr|COM Sync Suite Reference601/3, PDConduitInfo|COM Sync Suite Reference601/3, PDInstallConduit|COM Sync Suite Reference601/3, PDInstallConduitInfo|COM Sync Suite Reference601/3, PDUserData|COM Sync Suite Reference601/3, PDHotSyncUtility|COM Sync Suite Reference601/3, PDInstall|COM Sync Suite Reference601/3。PalmSource は代わりにこれらのオブジェクトを使用することを強く推奨します。

中止された Palm MFC Conduit Framework のサポート ^TOP^

以前の CDK のリリースはコンジットを開発するための Palm MFC Conduit Framework (CBaseMon, CBaseTable など) を提供していました。これらのタイプのコンジットをビルドするためのサポートは CDK 4.03 では中止されました。Generic Conduit Framework がよりフレキシブルなコンジット開発を提供し、コンジットのための同期ロジックのモデルとして継続されていきます。Palm Desktop ソフトウェアは MFC Conduit Framework をベースとする既存のコンジットを実行するために必要なライブラリ ファイル (table2x.dllpdcmn2x.dll) をインクルードし続けます。しかしながら、PaSource はすべての開発者が Generic Conduit Framework に移行することを奨励しています。

参照 ^TOP^

C/C++ Sync Suite Reference「C/C++ Sync Suite 4.03 の変更点」, COM Sync Suite Reference「COM Sync Suite 4.03」|COM Sync Suite Reference601/A

← 0 章に戻る ↑トップへ 2 章に進む →